三代目日記

畳の新調・畳の表替・琉球畳 岡峰畳店
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「一番草」とは、刈り取りしたイ草の中で、最も草の質が良いものを
厳選して、丹精込めて織られた〝農家さん自慢の最高級品〟です。

充分な草丈、美しい色味、細やかな織り、艶。
写真では、小松表特有の弾力と、上質な香りをお伝えできませんが、
畳職人がホレる畳表です。

職人歴48年の父は、小松表が農家さんから届くと、
きまって、プレゼントを手にした子供のように急いで梱包を開け、
小松表を見つめ、ニンマリします。^ ^





八代南部、金剛地区。
この辺りは天保年間、1840年頃の干拓により、広大な農作地が広がっています。
その中ほどに天津さんの作業場があります。
天津さんは作業場前の休憩所で、もてなしてくださいました。

畳表の最高褒賞を受賞し、各賞を総なめにしている
天津さんのお話は興味深いものばかりで、
時間の経つのを忘れ話し込んでしまいました。

『い草(畳表)は自分の娘。』
手塩にかけて、大変な苦労をして育てた娘(い草)を
お化粧して(天然染土で泥染めして)お嫁に出している。
いつもそんな気持ちでい草を送り出している。

『今年のい草はどう料理しよう、‥もう頭の中にある。』
料理するとは、
刈り取り、泥染め、乾燥 のタイミングや時間、温度調整のこと。
どの様に一連の行程を踏んでいくのか。
永年、い草と向き合ってきた時間と経験からの言葉。

い草の状態によって、最適な調理法で料理する。
同一ではなく、僅かな調整をどうするか、天津さんにだけ見えている。

刈り取った い草は天然の染土で泥染めして乾燥の工程に入ります。
泥染めすることで、い草の鮮やかな緑の基である、葉緑素が守られ、
乾燥を経ても、優しい色味の青畳となります。
また、泥染することで、乾燥が均一に進み、
い草の爽やかな香りが醸成されます。

乾燥の温度や時間がほんの少し変わるだけで、
仕上がりが全く違う。
今年の、この田んぼのい草は、こういう風に料理しよう!
自然と、頭に浮かび、早くやりたくてしょうがない様子。

天津さんは、自宅前の一番青々とした植木を指差して、
今度のい草は、あの葉の色をめざしている。
もうすぐできそうだ。と満面の笑み。

い草を自由自在に操るマエストロは、
研究熱心で、向上心の塊。
もう一人の、レジェンド天津氏は、天才肌のい草職人。

沢山のお話を聞かせていただき、誠に有難うございました。





 

 
富山市問屋センターにて、最先端のITサービスを提供する
企業が集結して、展示会が開催されました。
その中に、「畳のオフィス」 〜 畳のある空間で集中力アップ 〜
をテーマに出展させていただきました。

い草の香りには、集中力を高め、自律神経を安定させる効果があります。

静かな佇まい、凛とした空間の中でオフィスワークを行う。
気分転換は勿論、作業効率アップ。新しいアイディアの創造にも繋がります。
すでに、世界的大企業の中には、畳空間をオフィスの一部に取り入れているところが
いくつもあります。Google、楽天、LINE、日本オラクルなどなど‥。

実際に畳のオフィスを体験していただきましたが、
い草の香りに包まれながらのオフィスワークは
仕事だけれど、仕事でない様なリラックス感と、
落ち着いて作業ができて集中できると、高評価。

今回、使用したのは熊本、八代の藤田豊氏の畳表。
皆さん、この〝い草の香り〟を大絶賛 ‼︎

い草の香りの 力 を、改めて感じました。
少しづつでも、この魅力を伝えていこう。
気持ちを新たにした展示会となりました。

主催者様、来場者の皆様、有難うございました。







熊本で一番の有名人は、
くまモン ではないでしょうか ^ ^
八代でも、くまモン がお出迎えしてくれました!

弾丸行程の熊本訪問でしたが、ご当地の食べ物もいただきました( ^ω^ )
見た目も味も最高だったのが たたみアイス です。
畳と同じく、い草の上層とワラ床の下層をアイスで表現しています。
い草の層には食べられる い草が練り込まれ、
ワラ床の層には稲ワラではなく、玄米を入れるこだわり。
い草の爽やかさと玄米の香ばしさがマッチして、美味しい!!!
見た目だけかと思いきや、味もかなりの完成度でした。

そして、地元の方が連れて行ってくださったのが、
「美少年」
というお店。
地元の人に愛されている居酒屋。
ダンディなマスターはぶっきらぼう。
でも、優しさがにじみ出ている。

先ず、お通し。足長と呼んでいた有明の蛸の煮付け。
これでもう、やられました。うまっ!
常連さんのおススメ、牛すじ豆腐。
これまで食べた牛すじで、一番!!!!
優しい澄んだ出汁は白醤油で味付けとマスター。
柚子胡椒が効かせてあり、最高。
キビナゴ刺、しゃく天。美味い。
これは、サービスとこだわりの手作り ところてん。美味い。
お店の名前の付いた、焼酎 美少年。美味。

大満足でお会計すると、
紙きれに書かれた 金額 はとんでもない!!
‥安すぎ。
一緒にいった地元の方は常連だと思うけど。
‥これが八代なのか、美少年恐るべし。
マスター有難うございました。









 

 

 
熊本県は八代市、その中に千丁町があります。
ここが日本のい草生産の中心地です。
今日は、畳表の最高褒賞を4回受賞し、八代でレジェンドと言われている
い草生産者 橋口さんを訪ねました。

この時期は去年刈り取ったい草の “織り”(畳表として完成)を終えている
生産者が多い中、橋口さんの作業場は小気味良い織機の音がしていました。
中に入ると、光と湿気が入らないよう黒いシートで隙間を塞ぎ、少し暗く、
〝い草の香りがイッパイ〟に充ちています。

7台の織機を使い分けており、この日は4台を動かしていました。
橋口さんは、「涼しいでしょ!」と織機の奥を指差し、
そちらに見たことのない送風機(クーラー)が。

「人間のために涼しくしてるんじゃなか」「草のためたい」

八代弁の、い草愛あふれる言葉。
い草が湿気で劣化しないように、冷却しながら織っているという。
八代でもそんなことをしてる人はこの方ぐらい。

奥様に一年中、織っているのか伺うと、
良いものに仕上げるには1日に織る枚数が限られるので、結果、
外作業のない日は一年中織らないと終わらないとのこと。

こっち来てと、見せられたのは い草の色味を選別する機械。
目で見ても違いが分からないような、い草の穂先の赤みや、根の白み。
センサーが僅かな赤みや、条件を満たさない白みをキャッチして
不適合のい草を選別していくもの。

「この機械は高いたい。」笑いながら、品質が良くなった、と嬉しそう。

「今年の刈り取りは七夕様やな(7月7日から始めよう)。最後は7月22日。」

と、刈り取りの予定表が頭の中にできあがっている。
(他の生産者は6月20日頃から刈り取りを始める様子)
草丈が150センチを超える頃になると生産者は、大雨や台風などが来る前に
早く刈り取りを終えてしまいたい。
ギリギリまで刈り取りを遅くする想いを伺うと、
い草の芯を太らせて、い草の表面が少しでも硬くなるまで育てきりたいと、
目一杯、草のポテンシャルを引き出したいという想い。

大雨や台風が近づくたびに田んぼへ走って、
その対策に死に物狂いになっちゃうから困ったもんだ、と笑顔の橋口さん。

外を案内する、と見せてくれたのは い草の田んぼのとなりの畑。
雑草ではなくて、クローバーを植えてある。と、
この前はレンゲを植えてあったと。
来年用に植え付けするために育てている赤ちゃんい草を一時的に植える畑で、
その土壌の菌をレンゲやクロバーで醸成しているとのこと。

橋口さんのい草は青く美しい。

穂先がかなり赤くなっている田んぼが散見される中で、橋口さんの田んぼは
くっきりと青く、田んぼの境目が遠くからでも分かる。

教えていただいた橋口さんのこだわりは、一部にすぎないが、
い草が畳表になるまでの手間暇、労苦が想像以上で目眩がしそうになった。

い草への愛。

そして、橋口さんを支える奥様の偉大さ。

八代に来て、橋口夫妻にお会いできて本当によかったです。
作業の手を止め、ご対応していただき誠に有難うございました。

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